so sweet










蕩けるような甘さが、口内に広がる。

くちゅ…。
音と共に押し潰されたボールから零れた焼けるような熱い液体が、
ブルーの咽喉を駆け下りた。







甘いものがあまり得手ではないソルジャーに。
ハーレイに手渡されたのはウイスキーボンボン。

何故自分に?と問えば、ブリッジの女性陣は「これから行かれるのでしょう?」と
にっこり笑った。
確かに今日は定時上がりなので、報告がてらこの足で向かうのだが…。
折角だから自分たちで持って行ったらどうか、と言うハーレイに、
ヤエは更に盛大な笑顔で答える。

「しっかり手渡して下さいね!」



青の間に着いて。
許可を得たのに、ブルーの姿は無かった。

「ブルー?」
『もう終わるから、少し待っていてくれ』

思念での応えはシャワー室から。
白いガウンを羽織り、肩にタオルをかけたブルーがすぐに現れた。

銀の髪からはまだ水滴が滴る。
ハーレイはため息をつくと、ベッドに腰掛けブルーの肘を引いた。
後ろから抱える格好で膝に座らせ、大き目のタオルでがしがしと頭を擦る。
ブルーは大人しく、されるがままにしていた。

「今日も変わりは無いかい?」
「はい。ご報告出来る情報はありません。申し訳ありません」
「いいんだよ。でも―――地球は、遠いな…」
「…………」

黙って髪を擦り続けていたハーレイだったが、良い加減で渇いた所で
手を止めた。
さあ、終わりましたよ、と立ち上がらせ、ふと視線を落とす。
ガウンを割って現れた白い太股。
膝頭近くの内股に咲く赤い華―――昨夜の痕跡。
身体の熱が上がる。

ハーレイはベッドサイドに置いた、小さな包みに手を伸ばした。
ブリッジの女性クルーからです、と紙袋を開いて、一つ取り出す。
口に咥え己も立ち上がりながら、何だい?と問うブルーの唇を塞いだ。

互いの舌を絡め合いながら、与えたボンボンをブルーの口の中で押し潰す。
甘さと僅かな苦味と、熱さ。
それを存分に味わいながら、何より甘露なのはブルーだとハーレイは思った。

ちゅ…っと音を立てて、唇を離す。
すっかり着崩れ、全裸に近い格好のブルーの全身が赤く色を変えていた。

そうして。
唇から溢れたチョコレートが、先ほど見えた赤い吸い跡近くに零れている。
白い肌とのコントラストに、くらりと眩暈がした。

屈んだハーレイは、太股の後ろに手を沿え唇を寄せた。
舌を伸ばし、舐め取る。
舐め上げるたびに、ブルーが震えた。

ハーレイは時間をかけてゆっくりと、綺麗にした。
うっとりとした表情で、すっかり上気した頬を撫でた。

「……もう一つ、如何です…?」





ギシギシとベッドが軋む。
ハーレイに組み敷かれ、声を上げながら大きく足を開いて
彼を受け入れていたブルーが、掠れた声で途切れ途切れに言った。

「…しばらく…ぁ…チョコ…ト…は…禁止だ…んぅ…!」
「どうして…?」
「ハーレイ……我慢…っ、…出来な……く…なるん……ろ…ぅ…」

上がった息の合間に、くすりと笑う。
それはどちらです?と囁きながら、自分の太股を掴んで離さない
白く細い手に触れた。

「…あ…はぁ…っ!」

声を上げながらも、睨みつけようとするブルーが愛おしい。
細い足首を掴んで広げた。
更に深く突き入れる。
仰け反った細い身体に覆い被さった。

禁止しても無駄です。
私が我慢出来ないのは―――あなたに…だから…。

そう囁けば、ブルーは足を腰に絡めてくる。

伝わってくる思念が、微かに伝えた。
ぼくもだ、と。 















---------------------------------------------------- 20080218 どれだけ甘くても、過ぎることはない 私の大好きなあなたは