―― Vous etes plus beau qu'une rose ――
                 petit01










いつもの照明より、少し光度が高い。
明るい青の間で、ブルーはいつものように寸分も隙もなく制服を着て椅子に座っていた。
だが、いつものソルジャーブルーでない。

けぶるように光る銀の髪から、獣の耳が生えていた。
猫科の獣をイメージさせる三角の白い二つの耳。

このところ人間の世界で流行ったもので、付けた人間の脳波を捕捉し、まるで動物の
それのような動きをしてみせるのだ。
興味のあるものを見つけた時はピンと立ち、悄げれば倒れ、心地良いときには少し
後ろに伏せられる。
子供の玩具だがかなり流行し、それを面白がった支部のリーダーがシャングリラまで
わざわざ送ってきたもののひとつだった。

そんな耳を付けたブルーの表情は、シャングリラ中の誰も目にしたことのないものだろう。
目を細め、口元に笑みを刻んで満足げに自分の足の間を見下ろすその顔を知るのは、
ハーレイだけ。
支配者の笑みを浮かべてるブルーの、完璧に身に着けた制服の中でたった一箇所
乱れている場所、そこから苦しげな息と水音が響く。

「…ん…ふ……ぅ…」

下腹部のジッパーを下ろさせ、前をくつろげている。
そうしたのは、今、白くて細い太股の間に跪き、一心に舌を動かすハーレイだった。

くちゅ。
くちゅ。

ハーレイの口から発生する水音。
それを心地良い音楽か何かのように、ブルーは楽しんでいた。
跪くハーレイの足の間に、ブーツを伸ばす。

「これは、なに?」

靴の先で、剥き出しで天を向くハーレイを突いた。
その先端は盛んに光の玉を生み出し、溢れさせている。

「まだ触って無いのに、もう出したそうだね…」
「―――ん…ふ……っ」

ブーツではち切れそうな褐色の強張りを撫でた。
先端から、根元の金の茂みまでを、ゆっくりと何度も。
すると何かが床の上で動く。
それは茶色の長い毛で覆われたしっぽだった。

ハーレイの尾てい骨から生えた大きなしっぽは、垂れ下がり床に投げ出されていた。
それは滑らかな床の上で、不定期に震えるように左右に揺れる―――何かに耐えるように。

「僕を咥えていて、感じちゃった…?」

答えずハーレイは身体を震わせる。
ブルー自身に舌を絡ませ、吸い上げた。
すると、ブルーの頭に付いた耳が横に伏せる。
気持ち良さそうに吐息を漏らす姿に、ハーレイは身体が熱くなった。
咥えたまま、更に激しく頭を振る。

「……そう…上手だよ、ハーレイ…」
「…ん―――っ?!」

ハーレイ自身に、柔らかいものが巻きついてきた。
細くて、しなやかで、短い毛の―――白くて長いしっぽ。
ブルーの尾てい骨に貼り付けられたものは、ネコ科の生物のものと思われるものだった。
それがハーレイを包んで、扱き上げる。

見上げれば、頬杖を付いて優雅に微笑む白皙。
手が伸びてきて、金髪を白い指が弄んだ。

ハーレイはうっとりと目を閉じる。
心地良さに。
快感に。
―――ブルーが与えてくれるもの全てに。

旦那さま…。
われ知らず、ハーレイは呟いていた。 












---------------------------------------------------- 20081021 猫耳ブルーさまとわんこしっぽのハレさん。 日記に載せたものにちょびっと加筆。